2025年参院選の争点は、カルト参政党から日本を守ることができるかどうかである!(前編)【近田春夫×適菜収】
【近田春夫×適菜収】新連載「言葉とハサミは使いよう」第6回
■選挙で人を選ぶときのポイント
適菜:政治もここまで腐り果てると手の打ちようもないので、政治に言及するのはやめました。今回の参院選でどうにかなるという話でもありません。それで新聞や雑誌の時評の類も全部やめた。SNSもやめる方向で縮小しているのですが、やはり参政党みたいなのが出てくると腹も立つので、ツイートしてしまう。そういう未練があるのが自分ながら嫌です。
近田:本当の気持ちを言うと、適菜収には、そこの未練は捨てないで欲しい。ある意味文章を書き続ける責任があると思っている。「政治とは何なのか?」という抽象論でもオッケーだけどね。
適菜:そうですね。書くとしても少し抽象のほうにする予定です。時評はやめるということですね。
近田:時評はいらないよ。政治に関しては、人類がどこまで知性的なのか、そろそろ構造的な意味において、世界レベルで確認を迫られているような気がしてさぁ。人類がどこに向かって突き進んで行くのか。
適菜:近代とはひとつの方向性に向かうことであり、不可逆性の構造をもっている。だから近代に付随する負の側面も拡大していくと思います。その病は最終段階に入っているように見えます。
近田:そうなのよ。それは間違いないとして、どうやってその“終わり“までのFADE-OUTの角度を緩やかに出来るか。多分、これからの政治に具体的に求められることって、その技術だよね。
適菜:そうだと思います。ソフトランディングかハードランディングの違いだけですね。それを緩やかにする努力をする政治家を選ばなければいけない。
近田:ですよね!
適菜:それでも、政治にはあまり期待はできませんが。
近田:それは期待する方が間違い。だから真面目な人間は神をどうしても求めてしまうのでは?
適菜:私も神様にお祈りをしています。「世界人類が平和になりますように」と。私は博愛主義者なので。
近田:今、政治のマッチングアプリのようなものがあるでしょ。
適菜:はい。でも、政策だけで支持政党を決めるのは危ういところがあります。参政党の政策も中にはよさそうなものもありますが、発言をコロコロ変えたり、都合の悪い過去の動画を消しまくったりしているカルトが、公約を守るわけがないですからね。選挙は、その人物の立ち居振る舞いがまともかどうかで選ぶべきだと思っております。
近田:そういう意味では、ネガティヴチェックして行くと、政治信条はともかく人間的には、共産党が一番まともなのかも。
適菜:そうですね。政策的にも共産党が一番保守的でまともなような気がします。構造改革路線を急激に進めてきた自民党を批判してきたのも共産党だし、維新の会が大阪市を解体しようとしたときに、地域を守れと立ちあがったのも共産党ですからね。しんぶん赤旗は自民党の闇を暴いてきましたし。
近田:名前だけ変えりゃ問題ない気がするのよ。例えば“協賛党“とかに!
適菜:私も以前、共産党の国会議員に直接そう言ったのですが、名前にこだわりがあるのか、かたくなでしたね。党名は絶対に変えたくないみたいな。
近田:なるほど